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ウォール街デモの炎上を招くか!? 金融崩壊の最初の12時間を描く『マージン・コール』
ニューヨークでは10月29日、季節外れの大雪が降った。そんな悪天候の中でも、「ウォール街を占拠せよ」のデモに集まった人々はウォール街近くの公園で泊まり込みをしている。アメリカの政界や経済界への抗議活動は、今ではニューヨークだけでなく、シカゴやシアトルなど全米に拡大しており、問題解決の糸口が見えない状況が続いている。
このような状況で、とてもタイムリーな映画が全米で公開された。今回の「ウォール街を占拠せよ」にもつながる、世界的な不景気を巻き起こした2008年の金融危機、いわゆるリーマン・ショックについて描いた『マージン・コール(Margin Call)』だ。J・C・チャンダー監督の長編デビュー作となるこの映画の一番のポイントは、金融危機を招いた問題を、金融企業に勤める金融マンたちの視点から描いたことだ。どのような人物たちが、どのようにして金融危機を生んでしまったのか、それを問題の内側から語っている。
先日ゲイであることをカミングアウトし話題を集めたザカリー・クイント(『スター・トレック』)と、『ゴシップガール』のダン役で世界中をトリコにしているペン・バッジリーが若き投資家を演じるのだが、彼らが勤める投資会社で、大量解雇が行なわれるところから物語は始まる。ザカリーとペンの役柄は解雇をまぬがれるが、直属の上司(スタンリー・トゥッチ、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』)が首になってしまう。解雇され会社を去るスタンリーが、エレベーターに乗る直前に「ちょっと取り組んでた案件があったんだけど、あいつら最後までやらせてくれなかったからさ、ちょっとこれを見といてくれ。あと、気をつけろよ」と言ってザカリーにUSBを渡す。同僚が帰宅するなか、ひとりオフィスに残っていたザカリーが思い出したように上司のUSBを読みこんだとき、そこに入っていた信じられない情報を知ることになる。そしてそこから始まる金融危機の最初の12時間を映画が追いかけてゆく。公開されている予告編でも、すでに崩壊していく投資銀行の内幕が暴かれている。
『マージン・コール』予告編
「このビジネスで生き抜くための方法が3つだけある。一番であること、誰よりも賢いということ、それができなきゃ、イカサマするしかないんだよ」
という、CEOを演じるジェレミー・アイアンズのセリフや、数時間後には価値がなくなることが自明である株を全て売り払う選択について「あなたが今やろうとしていることは、絶対にしてはいけないことだ」というケヴィン・スペイシーのセリフなど、起きてしまった問題をかなりイカサマな方法で解決していこうと躍起になる金融機関の、かつてない動揺が見てとれる。
なぜ金融危機の最初の12時間をここまでリアルに描写できたかというと、監督のJ・C・チャンダーの父親が、投資銀行に40年間勤めていたことが大きかったようだ。チャンダーは次のように語っている。
「この金融危機を生んだのは、金融システムの問題でもある。世界経済を崩壊させたくて犯罪をおかしたわけじゃない。でもそれを可能にさせてしまったシステムこそが問題で、そこに翻弄される金融会社の中の、さらにいろいろな立場の個人の動揺を描きたかったんだ。金融で飯を食べてる人は、PCのディスプレイやモニター、そして紙に出る株価なんかの数値を見て、『この数値を頼って、いつまで仕事が続くのだろうか?』と考えるわけだからね」
ケヴィン・スペイシーも、実際に金融危機の中でイカサマ的な行ないを避けられなかった人物との取材を通して、このようなことを語っている。
「彼らに会えたのはよかったね。世間では誰も知らないのに、これから金融危機が起こることを知っている気分はどんな感じだったのか聞いたりしたよ。あと、彼らが『このままじゃヤバイ』って何度も上司に忠告していたのに、上から無視され続けていたことも、あまり知られていないよね。従いたくない命令に従わなくてはならない立場だった人が大勢いるんだ」
とはいえケヴィンは、この映画のメッセージが「金融崩壊は仕方なかった」というものではないと念を押す。
「今デモでウォール街にいる人たちには満足してもらえない映画かもしれないけど、この問題をもっと知ってフェアな意見を探している人には届いてほしいと思っている。金融崩壊に関して、被害者と加害者という対立関係以外の、もっと複雑な見方が必要な時期だと思うよ」
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先日ゲイであることをカミングアウトし話題を集めたザカリー・クイント(『スター・トレック』)と、『ゴシップガール』のダン役で世界中をトリコにしているペン・バッジリーが若き投資家を演じるのだが、彼らが勤める投資会社で、大量解雇が行なわれるところから物語は始まる。ザカリーとペンの役柄は解雇をまぬがれるが、直属の上司(スタンリー・トゥッチ、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』)が首になってしまう。解雇され会社を去るスタンリーが、エレベーターに乗る直前に「ちょっと取り組んでた案件があったんだけど、あいつら最後までやらせてくれなかったからさ、ちょっとこれを見といてくれ。あと、気をつけろよ」と言ってザカリーにUSBを渡す。同僚が帰宅するなか、ひとりオフィスに残っていたザカリーが思い出したように上司のUSBを読みこんだとき、そこに入っていた信じられない情報を知ることになる。そしてそこから始まる金融危機の最初の12時間を映画が追いかけてゆく。公開されている予告編でも、すでに崩壊していく投資銀行の内幕が暴かれている。
『マージン・コール』予告編
「このビジネスで生き抜くための方法が3つだけある。一番であること、誰よりも賢いということ、それができなきゃ、イカサマするしかないんだよ」
という、CEOを演じるジェレミー・アイアンズのセリフや、数時間後には価値がなくなることが自明である株を全て売り払う選択について「あなたが今やろうとしていることは、絶対にしてはいけないことだ」というケヴィン・スペイシーのセリフなど、起きてしまった問題をかなりイカサマな方法で解決していこうと躍起になる金融機関の、かつてない動揺が見てとれる。
なぜ金融危機の最初の12時間をここまでリアルに描写できたかというと、監督のJ・C・チャンダーの父親が、投資銀行に40年間勤めていたことが大きかったようだ。チャンダーは次のように語っている。
「この金融危機を生んだのは、金融システムの問題でもある。世界経済を崩壊させたくて犯罪をおかしたわけじゃない。でもそれを可能にさせてしまったシステムこそが問題で、そこに翻弄される金融会社の中の、さらにいろいろな立場の個人の動揺を描きたかったんだ。金融で飯を食べてる人は、PCのディスプレイやモニター、そして紙に出る株価なんかの数値を見て、『この数値を頼って、いつまで仕事が続くのだろうか?』と考えるわけだからね」
ケヴィン・スペイシーも、実際に金融危機の中でイカサマ的な行ないを避けられなかった人物との取材を通して、このようなことを語っている。
「彼らに会えたのはよかったね。世間では誰も知らないのに、これから金融危機が起こることを知っている気分はどんな感じだったのか聞いたりしたよ。あと、彼らが『このままじゃヤバイ』って何度も上司に忠告していたのに、上から無視され続けていたことも、あまり知られていないよね。従いたくない命令に従わなくてはならない立場だった人が大勢いるんだ」
とはいえケヴィンは、この映画のメッセージが「金融崩壊は仕方なかった」というものではないと念を押す。
「今デモでウォール街にいる人たちには満足してもらえない映画かもしれないけど、この問題をもっと知ってフェアな意見を探している人には届いてほしいと思っている。金融崩壊に関して、被害者と加害者という対立関係以外の、もっと複雑な見方が必要な時期だと思うよ」
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